運動について-2

About exercise

なぜ運動がいいのですかと聞かれると、みなさんはどんな事を思いつきますか?

 

  • 健康のため?
  • ダイエットのため?
  • 見た目をかっこよくするため?

 

 

理由は色々とあると思いますが、運動には筋肉を鍛えたり、ダイエットなどの身体的な効果のほかに、もう一つとても大切な効果があるのです、それは「人を幸せにする」という効果です。
 
スポーツなどをした後は、とても清々しく気分が高揚した感じになりる事は皆さんもご存じかと思います。
そんな、運動がメンタルに与える効果について今回は解説していきたいと思います。
 

人には、運動をすると幸せな気分にするシステムがある

 
人類の祖先が誕生したのが今から約400万年前になります。そして、そこから農耕が発達する約1万年前までの、およそ399万年の間は、人類は朝から絶えず食料を確保するために動き続ける、狩猟採取の生活を送っていました。

 
そのため、人類の進化はこの時代に適応するために脳機能、生理行動パターンなどが最適化させていると言えるため、空腹のなか、長い時間獲物を追い続けなくてはならないような、ツライ環境でも人が動き続けられるように、身体は進化の過程により、ツライ運動をすると幸福感や、満足感を与えられるような仕組みを備えたのです。
 
ランナーズハイに見られるように、運動により高揚感や幸福感が得られるのは、人類が生き残るために獲得してきた進化によるものです。
 

運動によりどうして人は喜びや、人との繋がりを感じたり、不安が和らいだりするのでしょうか?

 
運動には、脳の神経伝達物質ドーパミン、エンドルフィンを分泌させる効果があります。
また、マリファナ類似物質である内因性カンナビノイドの血中濃度も上がることが確認されており、これらの物質により、人は運動する事により、幸福感を感じたり、気分の高揚、苦痛の緩和などを感じるのです。
 

  • ドーパミンは、報酬系として快いと感じたり、意欲や喜びに関与します。
  • エンドルフィンは、気分の高揚、幸福感や鎮痛作用があります。
  • 内因性カンナビノイドは、苦痛の緩和、気分の向上などの効果があります。

 

定期的な運動は、脳の構造的に変化させる。

 
人は加齢により20代を過ぎると10年ごとにドーパミン受容体は13%減るといわれています。

そのため、年齢を重ねると喜びを感じずらくなるのですが、定期的な運動する事で、ドーパミンの分泌が増える事で、受容体の数も増えることで、より効率的に使われるようになり、日常的に喜びを感じやすくなるのです。
 

 

また、運動をすることで神経栄養因子などの神経を作り出す働きをする物質も筋肉より放出されるため、脳そのものも変化してくるのです。
 

 

どんな運動をはじめよう!


運動をどのくらいすれば、気分が快く、意欲や喜びが湧いてくるよくになるのでしょうか?
 
WHO世界保健機関による「身体活動、座位活動ガイドライン」では健康効果を得るためには、1週間に中強度の有酸素運動を少なくとも150~300分、高強度の有酸素運動を少なくとも75~150分、または中強度と高強度の組み合わによる同等の量を行うべきであると記されています。
 
これは、
・ややツライと思う運動、中強度の運動を30分間、週5回以上
・キツイと思う運動、高強度の運動を30分間、週3回以上
になります。
 
※中強度の運動とは、心拍数(220ー年齢)×0.7
※高強度の運動とは、心拍数(220ー年齢)×0.8 を目安としてみましょう。
 
ですが、はじめからこれらを行おうとすると無理し過ぎて続かなくなるため、始めは、ウォーキングからでいいので、まずは30分間身体を動かす事から始めてみましょう。
動くことで気分が変わり、さらに続けたくなる事で徐々に目標を上げていくことが出来るでしょう。
 
運動は、どんな治療より副作用のなく誰でも行える心身ともに健康を保つ素晴らしいものです。
是非とも、今日からでも始めてみてはいかがでしょうか。